原作の小説は知らないのに、その設定には物凄い既視感があった、という意味での懐かしさから買ったプラモを、結構な勢いで組み立てた。パーツの数も少なく一見すると手間取る要素はないものの、締まりの固い関節部分が多々あり、一度組んだ後で角度を整える作業はえらく神経を使う。個体差もあろうが、よりによって首まわりが固いのは辛い。なお今回、右太腿の回転部分をねじ切ってしまい、接着剤で固定している。
機械むき出しの関節部分や装甲、その隙間からうかがえるロボット感は、それを排除するコトブキヤ系の美少女プラモと差別化を図るにとどまらず、原作のキャラを割と誠実に再現できたのではないか。白目のないロボットアイがプリントされたデフォルトの顔パーツとは別に、白目の施されたデカールも選べる仕様はかえって、このキットのコンセプトを明確にしてくれる。これは美人が落とし込まれたロボットであり、ロボットの美少女化ではないのだろう。
総じて楽に組上がるいっぽう、関節が全体的に固いため、ポーズをつけるのに難儀する。また、ウエストのラインは崩したくなかったのだろう、腰が回らず、胴体の表情は胸部装甲の可動部分でなんとかするしかない。膝は正座ができる程度に曲がり、肘の曲がりもそこそこだが、肩パットがあるため腕は水平以上に上がらない。もっとも、この範囲内であれば姿勢は安定する。本体同様に固い台座も心強い。それにしても結局は、シンプルなデザインが際立つ無理のない立ち姿が一番絵になる。FAGなどより頭半分から1つ分くらい大きい程度だが、顔を強調し過ぎないため頭部も小さく、全身のバランスが良いため、実際以上に背が高く感じる。
なお、パッケージの絵柄も、それ自体は見たことないはずだが、とても懐かしい。