先月初め、大型連休中の某日のこと、書店巡りのついでに大阪なんばまで足を延ばし、アゾンの直営店に行く──PCといわゆる「オタク趣味」から離れて以来、10年以上疎遠の地を訪れる理由がこれとは、なんとも。
PCグッズとキャラグッズと飲食店等々を詰め込んだ感のあるエリアだが、特に気が散ることもなく、まっすぐ目的地にたどり着けたのは、自分の「感度」が鈍ったせいだろう。古き良き何かの喪失を嘆くほどにはこの地に思い入れがなく、思い入れがないぶん、「変化」に気づいて驚き感慨に浸ることもない。それにしても、店舗の狭さや棚の窮屈な間隔は、ほんの一瞬でも、10年・20年前の記憶を蘇らせてくれるあたり、ありていに言えば、身体は覚えているのである。
途中、コトブキヤのプラモを物色しながら、同じビルの4階へ。アニメっぽいBGMを除けば手芸店のような雰囲気。客筋は予想と異なり、なんというか、おとなしく、しんどさを感じない──それでかえって恐縮する人もいるかもしれないが。着せ替え談議に勤しむカップル、つい足を踏み入れてしまった男オタク連れ、よくよく考えれば決して不自然ではない親子連れ、その他おひとり様は男女比3:7で、属性的にもまばらな感じが面白い。
とりあえず、髪をとかすオイルミストを確保したあと、1/3ドールの存在感に圧倒され、FAGに着せた1/12ドール服に誘惑され、「せっかくなので」買うと決めた1/6ドールの衣装コーナーで悩むなどする。
ドール本体も含め、ネット通販で在庫切れの品が普通に入手できる場合もあり、転売品に手を出す前に確認するだけの意義はあるかもしれない。
お会計にて、用途に困るクリアファイルをもらうなどする。