部屋の掃除の一環として、半年以上手つかずの「プラモ」を勢いで組み立てる──以前に色違いの品を作っておきながら、なぜこれを買ったのか、その理由を最初は思い出せなかった。
先に出来上がる人形は、黒いパイロットスーツに金髪ポニーテールと、古典的な忍ばない系忍者。関節周りは全体的にFAGよりも安定感がある一方で、ポージングの幅は微妙。椅子には座れるが正座はできず、可動域的に少し物足りない。手首と一体のハンドパーツは得物を持たせないこともあり、基本的に「飾り」。濃い顔だちも特徴的──ある意味で「媚び」が少ないあたり、潔い。ファイターのバルキリーはキャラと一緒に並べて飾る添え物的な扱い。面が大きいため綺麗に塗装してシールを丁寧に貼れば飾り映えすのだろうが、私のように塗ったり貼ったりが苦手なら、変形させて飾る方が良い。特にこのバルキリーは、変形させてからが本番。
以前に買ったこちらはガウォークで飾っている。キャラもバルキリーも見せる欲張りな形態は、このプラモのコンセプトに一番かなっているのか、おさまりが良い反面、ポーズのバリエーションは限られ、物足りなくもある。そこで、バトロイド形態でも飾るためにもう一つ買い増した──半年前の自分は多分、そう考えたのだと思う。
こうなるとバルキリーの面影は殆ど感じられず、配色的にはガンダムに近い。背中と脚に着るパワードスーツ兼フライングアーマーとしては案外恰好が良い部類で、スーパーガンダムやリガズィができなかったことを、ちゃっかりやってのけている感すらある。
それにしても巨人の娘に玩ばれるバルキリーの図として見るなら、このバトロイド形態などは端的に残酷でグロい。